Differentiation(ユクカワノナガレ, 2015/04)

Differentiation は微分法という意味で、区別、差別化、分化などの意味も持ちます。
儚く消えるスペクトラムを舞台に、通り過ぎる人たちや状況と、私が共有した瞬間を表現したものです。
作品の軸となっているのは、自分の視点の中にある三つの要素です。
輝:何気なく見過ごしてしまう中に輝く美しさが潜んでいる
瞬:今という時刻は過ぎ去る一瞬の連続である
繋:すれ違う人たちや状況とも何らかの関係性がある
何気なく見過ごしてしまう光景として、虹様のスペクトラムをモチーフとして選びました。
このスペクトラムは、環境、時刻、天候、観察する方向が整わないと、見ることができません。
私が観察をしているスペクトラムの上を、誰も気づくことなく通り過ぎます。
その情景に、輝・瞬・繋を感じ、心に留めようするのですが、悲しいほどに心の中から消えてしまいます。
この情景を写真に撮ることを通じて、自分自身の心に留めること、
そして作品を通じて、同じ時間を共有している人たちと、何らかの関係性を持つことを目指しています。