歩道橋:都市の鼓動(Architecture 2015/09)
ある日、歩道橋の樹脂に映る太陽を見つけた。
歩道橋に輝く光は、都市の鼓動を映すように見えた。
都市は、人と、構造物と、交通でできている。
地方都市に生まれた僕には、歩道橋は発展の象徴だった。
街に大きな道が通り、自動車が増え、そして、歩道橋が出来た。
今の東京では歩道橋を意識することは少ない。
調べてみると、東京都全体で720基、区部で495基、中央区では11基しかないようだ。
多少の増減はあるが、一貫して減少傾向にある。歩道橋が減っているのは、人口が減少しているからだろう。
しかし、調べてみると、東京の人口は右肩上がりに飢えている。
それではと、経済の推移を調べてみると、日本のGDPは右肩下がりで、歩道橋とよく似た傾向を示していた。
歩道橋という少し変わった構造物は、人が歩くために、構造物をつなぎ、交通路をまたぐ。
歩道橋を窓に東京を見ると、都市の鼓動が映っていた。